■治療に至るまで

私のアザは思春期に発症しました。
それまではアザの存在に全く気付かず、学生時代はスポーツに明け暮れ、真っ黒に日焼けをする毎日でした。
就職して暫くしてから、こめかみにある薄いアザの存在に気付き、おじいちゃん先生のいる個人病院を訪れますが、原因もわからないし治療も出来ないと言われ、それ以降治療の事は忘れていました。
それから何年か経ち、25歳くらいの時、素顔で買い物に出たのですが、若い男の子と目があった途端ビックリした顔で「うわ〜!」と言われてしまいました。
子どもや若い子の言葉はとても痛いですね。
太田母斑は歳を重ねる毎に症状は進むようです。
年々濃くなって広がっていくんです。
26歳になった時、友達の紹介で都内の大きな病院を訪れました。
この病院で初めてアザの名前が「太田母斑」である事を知りました。
どの程度の深さにアザがあるのかを知るため、皮膚採取をしました。
顔に局部麻酔をして、こめかみの一部分をメスで切り出すのですが、痛みよりも「ジョリジョリ」という皮膚を切る音にまいってしまい、貧血をおこしてしまいました。今考えても恐いですね(笑)
そして、「真皮の表層から中層にかけて、主として紡鐘形のメラノサイトが散在性に認められる」という検査結果が出ました。
検査後、レーザー治療をして下さる病院を紹介していただいたのですが、完全に治るかどうかは分からないと言われてしまいました。
その当時、レーザー治療は数百万かかり(1996年4月に保険適用になりました)、しかも、痛いという認識があったので、治るかどうかわからない治療をする勇気もなく、レーザー治療をあきらめてしまいました。
しかし、この病院でアザを持つ人の為の化粧品がある事を知りました。
電話で問い合わせをしたら、初めて使う人は必ず使い方の指導を受ける事になっているという事でした。
早速、予約をして後日指導をしてくださる場所にうかがい、マンツーマンでの指導を受けました。指導をして下さる先生も同じように顔にアザを持っていらっしゃるという事で(カバーメイクでアザは全く確認出来ませんでしたが)、今までまわりに同じ悩みを持つ人がいなかった事もあり、色々悩みを聞いていただいているうちにボロボロと涙が出てとまらなくなってしまいました。
この会社では、化粧でアザをカバーしてくれるだけでなく、悩みを持つ人の立場に立って精神的ケアもしてくれます。
この会社のおかげで救われた事、沢山ありました。
そして、指導を受けてからあっという間に5年が経ちました。
5年経った1999年6月に、インターネットで「太田母斑は治る」という文字を見つけ、いくつかの治療に良い条件も重なり、今日に至りました。